発達障害という言葉をよく聞くけど、どんなもの?どんな種類があるの?と疑問に思ったことはありませんか。
2022年12月に文部科学省から発表されたデータによると、小中学校では、児童生徒の8.8%に発達障害の可能性があるそうです。
学校現場で働く場合、発達障害についての知識は、いまや必要不可欠と言えます。
今回は、発達障害の定義についての記事を書きました。
- 発達障害の定義
- 発達障害の分類の仕方
発達障害の定義
発達障害について文部科学省のホームページには、次のように書かれています。
発達障害とは、発達障害者支援法において「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの」と定義されています。
引用:文部科学省ホームページ
また政府広報オンラインには、発達障害について次のように書かれています。
発達障害は、脳機能の発達が関係する障害です。
(中略)
なお、発達障害は、複数の障害が重なって現われることもありますし、障害の程度や年齢(発達段階)、生活環境などによっても症状は違ってきます。発達障害は多様であることをご理解ください。
引用:政府広報オンライン
発達障害の分類について
発達障害について調べると、いろいろな分類の仕方があります。
自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害、自閉スペクトラム症など、いろいろな用語が出てきます。
平成16年に定められた発達障害者支援法をもとにすると、発達障害は
- 自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害
- 学習障害
- 注意欠陥多動性障害
- その他これに類する脳機能の障害
に分けて表現されています。
参考:発達障害者支援法等で定義された「発達障害」の範囲図(文部科学省)
2013年に発表されたDSM-5(アメリカ精神医学会の診断基準)をもとにすると、発達障害は
「自閉スペクトラム症(ASD:Autism Spectrum Disorder)」
としてまとめて表現されています。
ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)について(厚生労働省・eヘルスネット)
アメリカ精神医学会の改訂診断基準 DSM―5:神経発達障害と知的障害,自閉症スペクトラム障害(椙山女学園大学教育学部・宮川 充司)
自閉スペクトラム症(自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害)の定義
- 複数の状況で社会的コミュニケーションおよび対人的相互反応における持続的欠陥があること
- 行動、興味、または活動の限定された反復的な様式が2つ以上あること(情動的、反復的な身体の運動や会話、固執やこだわり、極めて限定され執着する興味、感覚刺激に対する過敏さまたは鈍感さ など)
- 発達早期から1,2の症状が存在していること
- 発達に応じた対人関係や学業的・職業的な機能が障害されていること
- これらの障害が、知的能力障害(知的障害)や全般性発達遅延ではうまく説明されないこと
さらに、知的障害の有無、言語障害の有無を明らかにし、ADHD(注意欠如・多動症)との併存の有無を確認することが重要です。
DSM-IVでは認められなかった自閉スペクトラム症とADHDの併存が、DSM-5では認められています。
また、他の遺伝学的疾患(レット症候群、脆弱X症候群、ダウン症候群など)の症状の一部として自閉スペクトラム症が現れることがあります。
自閉症は、「言葉の発達の遅れ」「コミュニケーションの障害」「対人関係・社会性の障害」「パターン化した行動、こだわり」などの特徴をもつ障害です。最近では、自閉症スペクトラムと呼ばれることもあります。
引用:政府広報オンライン
アスペルガー症候群は広い意味での「自閉症」に含まれる一つのタイプで、「コミュニケーションの障害」「対人関係・社会性の障害」「パターン化した行動、興味・関心のかたより」があります。
自閉症のように、幼児期に言葉の発達の遅れがないため、障害があることが分かりにくいのですが、成長とともに不器用さがはっきりすることが特徴です。
引用:政府広報オンライン
広汎性発達障害(PDD:pervasive developmental disorders)とは、自閉症、アスペルガー症候群のほか、レット障害、小児期崩壊性障害、特定不能の広汎性発達障害をふくむ総称です。
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注意欠陥多動性障害の定義
注意欠陥多動性障害(AD/HD:Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder)は、「集中できない(不注意)」「じっとしていられない(多動・多弁)」「考えるよりも先に動く(衝動的な行動)」などを特徴する発達障害です。
引用:政府広報オンライン
学習障害の定義
学習障害(LD:Learning DisordersまたはLearning Disabilities)とは、全般的な知的発達に遅れはないのに、聞く、話す、読む、書く、計算する、推論するなどの特定の能力を学んだり、行ったりすることに著しい困難を示すさまざまな状態をいいます。
引用:政府広報オンライン
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その他これに類する脳機能の障害について
「その他これに類する脳機能の障害」については、
- 発達障害者支援法
- 発達障害者支援法施行令(政令)
- 発達障害者支援法施行規則(厚生労働省令)
に基づき定められています。
レット症候群、行為障害、選択性かん黙、愛着障害、チック障害、吃音など、細かく分類されています。詳しくはこちら(文部科学省ホームページ)
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発達障害の知識を持って、目の前の子どもに合った関わり方を探ろう
今回は
- 発達障害の定義
- 発達障害の分類の仕方
- 理解を深めるためにオススメの本
について解説しました。
教員にとって、発達障害の知識を持つことは必要不可欠です。
ただし、その知識に囚われすぎてはいけません。
なぜなら、発達障害の症状は子どもによってそれぞれ違うからです。
発達障害を正しく理解するには、発達障害についての知識を持ちながら、目の前の子どもをよく見て、時間をかけて関わることが大事です。
また発達障害以外にも、学校にはこんな特徴を持つ子どももいます。
- グレーゾーン
- 境界知能
- HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン:とても繊細な人)
「発達障害の症状ではうまく表現できないけれど、学校生活で困っている場面が多いな」「関わり方が難しいな」と感じたら、これらの気質についての本を読んでみると、発見があるかもしれません。

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そして、最近は「大人の発達障害」に悩む人も多くいます。
職員室の中でも「職場の人と関わり方が難しいのは、発達障害が原因なのかも?」「自分の生きづらさは発達障害が理由かも?」と考える先生も多いです。
職場でつらい思いをしている方は、大人向けの発達障害の本を読むと、職場での人間関係に改善の糸口が見つかるかもしれません。
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